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チャイム音で吠える&噛む犬のしつけはハウストレーニングで解決する

犬との暮らし
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この記事を書いた人
はじ丸(Kazuo Ando)

ドッグサロン、トリミングスクール経営。「愛犬と幸せ家族になる方法〜PHP文庫」著者。大学・通信教育系企業でペットビジネス関連講座を担当しています。YouTubeで車中泊に特化した「はじまるちゃんねる」運営。キャンピングカーで妻と愛犬と共に旅することが生きがいです。

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こんにちは、はじ丸(@hajimaru2017)です。

チャイムが鳴るとすごい勢いで吠えるんです・・・

と、お客さんから相談を受けました。

チャイムの音、ピンポ〜ン♫に対する吠えは、トイレの悩みに次いで多いご相談のひとつです。

関連   【トイレのしつけ】愛犬が排泄を必ずペットシーツでできるようにする方法 | はじまる.com

ご相談者様のご自宅に伺いチャイムを鳴らすと、たしかにすごい勢いで吠える声が聞こえます。

家の中に入ると興奮度はさらに増し、目ん玉が飛び出すんじゃないかと心配するくらい興奮度MAX。

この場合、”吠え”は2種類に分けられます。

前述の目ん玉飛び出しそうに興奮して吠えているのは

誰だ!帰れ!ここを誰の縄張り(シマ)だと思ってやがるんだ!おとといきやがれこのすっとこどっこい!

という攻撃系。もう一つは

親分、誰か入って来やしたぜ。どうします?やっちまいますか?

と、飼い主に知らせている吠え、つまり報告系です。

どちらにしろ、自分たちの縄張りに不審者が入ってきている警戒からくる行動です。

さて、これを解決するにはどうしたらいいでしょうか。

方法は大きく分けて2つ。

ひとつは、来客は敵ではないと教えること。

もうひとつは、愛犬が守ろうとする(守らなければならない使命感が強い)縄張りを狭くしてあげることです。

どちらか一方でも効果はありますが、両方できればベスト。

ここで必要なのがハウストレーニングになります。

チャイム吠え対策2つのポイント

  • 来客=敵ではないことを教える
  • 守るべき縄張りを狭くする

チャイム(来客)は敵ではないと教える

休日を利用します。

せっかくの休日ですが、愛犬と幸せになるためです。

チャイム音に慣らす芝居

ご家族と一緒にお住まいなら、一人は家の中にいます。(家の中に残る役は順番に入れ替わります)

他のご家族は外に出て、

チャイムを鳴らします。

チャイム音に反応した愛犬が吠える。

ご家族が入ってくる。

な〜んだ、パパ(たとえば)か。

吠えるのをやめる。

落ち着いたら褒める(おやつ)。

また外に出てチャイムを鳴らす。

吠える。

ご家族が入っていく。

吠えるのをやめる。

落ち着いたら褒める(おやつなし)。

外に出てチャイムを鳴らす。
※ご褒美は褒めるだけの時と、おやつ付きで褒める時をランダムに。

これを繰り返します。

10回もすると、吠えなくなります。

吠えなくなったら1時間くらい時間を空け、また同じことを繰り返します。

最初はまた吠えるでしょう。

しつけは根比べ、ここからが勝負です。

もしあなたが一人暮らしの場合、家の中には誰もいない状態で構いません。

飼い主さんがチャイムを鳴らして入っていきます。

やることは同じです。

いちいちチャイムを鳴らすのが億劫だという場合はスマホを使いましょう。↓

チャイムを録音再生する

まず、チャイムをスマホに録音しましょう。

スマホのいいところは、再生音量を調整できることです。

はじめはごく小さな音でチャイム音を再生します。

吠えなくなるまで再生。

吠えなくなれば褒める(おやつ)。

もう少しだけ大きい音で再生する。

吠えなくなるまで再生。

吠えなくなれば褒める(おやつなし)。※ご褒美は褒めるだけの時と、おやつ付きで褒める時をランダムに。

この繰り返しで徐々にチャイム音を大きくしていき、最終的には大音量に慣れるまで続けます。

これくらいでいいか・・・はNG

先ほども書きましたが、問題行動に対するしつけは根比べです。

まぁこんなもんでいいか、と中途半端でやめると元の木阿弥、問題行動は治りません。

ま、いいか♫

と思う人は、そのままでいいと思います。

他人さまに迷惑さえかからず、飼い主さんがよければそれでいいかと。

他人がとやかくいうものでもないですしね。

お客さまの中には、明らかに犬の方が優位に立っていて、上下関係が逆転しているご家族がいらっしゃいます。

いるどころではありません。びっくりするくらいたくさんいらっしゃいます。

噛まれたんですぅ〜〜

と、嬉しそうに言っている人。

もうギャンギャンうるさくって〜♩困るわ〜♫

と、全然困ってなさそうな人。

昨日の朝ゴミ漁ってたんですよ〜もうお掃除がたいへ〜〜ん♫

と喜んでる人。

その人はそれでいいと思うのです。

だって嬉しそうだし、幸せそうですもん。

でも絶対治したい、困るという方はがんばりましょう。

何度も言いますが根比べです。

チャイムレッスンのポイント

  • チャイムを鳴らす=慣らす
  • 録音再生で徐々に音量を大きく
  • ご褒美は褒めるだけの時と、おやつ付きで褒める時をランダムに
  • レッスンは根比べ

守るべき縄張りを狭くしてあげる

そもそも犬にとって人間の住む家は縄張りとして広すぎます。

  • 庭の方でガサガサ音がしたら不審者注意報発令。(耳がピクンと動く)
  • チャイムが鳴ったら緊急出動!(吠える)
  • 玄関でガチャガチャ音がしたら警報発令。(現場に駆けつけ吠える)

あちらこちらに注意をしながら生活している犬は、実は大変なんです。

その警戒態勢を解いてあげます。

あなたはこの部屋だけ守っていればいいのよと教える、それが愛犬のハウスになります。

サークルでもいいし、クレートでも構いません。

ハウスが縄張り、という環境を作ります。

ハウス好きな子は問題行動が少ない

まず、ハウスが大好きな子にしなければなりません。

ハウストレーニングができると、チャイムに対する問題行動も自然と解決していきます。

十年以上、ドッグサロンの現場で飼い主さんと犬たちの様々な関係性を見てきました。

その中で確信したのは、ハウスの号令で喜んでハウスに入る子は問題行動が少ないということです。

怖がって逃げるように入るハウスとは違います。

あくまでもこちらの指示で入ることが前提です。

たとえばトリミング送迎に伺ってハウス(クレート)に入った状態でお預かりする場合。

お店に到着してすぐにクレートの扉を開けます。

ここでの理想は、すぐに出てこず「おいで!」の指示で出てくる子。

100点満点です。

こういうタイプの子は逆に「ハウス!」の号令にも従いスッと入ります。

ハウス大好きなのです。

扉を開けたとたん、ピューっと飛び出してくる子もいます。

これもオッケーですが、70点。

やっぱり指示があってから出てくるのがベストです。

さて、困るのは頑としてハウスから出てこない子です。

これは先ほど書いたハウスに逃げ込むタイプですね。

引っ張り出そうと手を突っ込むとガウ!と噛んでくる場合もあります。

籠城です。

その子にとってクレートはハウスであり縄張りなのだから仕方がないのです。

リードが付いていたらクッと引っ張り身体半分出れば大丈夫。

犬は降参します。

縄張りから出たとたん、借りてきた猫のように従順になります。

犬だけど。

この籠城タイプの子はハウスが好きかといえばそうではありません。

ハウスは避難シェルターなんですね。仕方なく入っているんですね。

しかもこの籠城タイプの子の場合は、出そうとしてハウスに手を入れた飼い主さんも噛まれたりします。

だから残念ながら赤点です。

飼い主さんの勘違い

では、どうすれば最初の100点のハウス好きになるのか。

そもそも人の住む家は犬にとって広すぎるということは先ほど書きました。

大前提として知っておいて欲しいのは、犬たちは狭い場所の方がリラックスし安心できるという事実です。

狭いところに閉じ込めてかわいそう・・・

という飼い主さんの勘違いが、赤点の子を作っているとも言えます。

飼い主さんは「ハウスは安全でリラックスできる最高の場所」ということを教える側なのです。

ハウストレーニングの方法

ハウス好きにするのは意外と簡単です。

おやつはハウスで。

ごはんもハウスで。

入ったら褒める。

「おいで♫」の指示で出てきたら遊んでくれる。

「ハウス」「おいで」の指示は、うれしいことが起きる言葉。

その条件付けをしていきます。

ここでも必要なのは根気です。

訓練士はおやつを使わない

たとえば警察犬訓練士の訓練で、おやつは使いません。

ご褒美は褒めと遊び。

指の動きや、声のトーンによってこちらの気持ちを伝えます。

特に褒める時は気持ち悪いくらいの高い声で「いい子だね〜〜」。

ダメな時は低く静かに「ノー」。

これだけで犬たちに気持ちが通じるからです。

私の声は基本低音。「いい声ですねぇ」「渋い声ですよねぇ」「電話で聞いたら素敵」と声だけ褒められ続けて53年。

ですが、犬たちと接する時は豹変します。

特に初対面の犬にはさらに高音で接するようにしています。

この高い声が犬に警戒されないための肝なんです。

ハウス(この場合はサークル)の中に入ったら、フセなどの指示を出してから、できたら大げさに褒めます。

その場合は、ハウスの前にスワレ、フセ、マテの三点セットくらいは躾けておく必要がありますが。

その指示は犬たちにとって実は遊びで、大好きな飼い主さんとのコミュニケーションはそれだけで立派なご褒美になります。

犬たちはおやつも好きですが、一番好きなのは飼い主さんと遊ぶ事なのです。

ハウストレーニングのポイント

  • 縄張りを小さくしてあげるためのハウス
  • 犬は狭いところが好きということを理解する
  • ハウスは楽しい場所と教える
  • 入るとき、出るときに楽しいことがあることを教える

チャイム対策とハウスの融合

ハウストレーニングが完了しハウスが好きになると、前述したチャイムの芝居を再び取り入れます。

チャイムを鳴らす

ハウスの指示を出す

ハウスに入ったらご褒美

お客さん役の家族が入ってくる

おいでの指示を出す

出てきたらご褒美

チャイムを鳴らす・・・繰り返し

繰り返すうちに、チャイムがなると自らハウスに入るようになります。

まとめ

人と犬の上下関係を教えるための方法はいろいろありますが、経験上、家庭犬の場合はハウス好きにすることがすべてのしつけの基本になり、あらゆる問題行動にその効果が発揮されます。

なんども書きますが、しつけは根気です。

ぜひハウストレーニングを頑張って、愛犬と幸せ家族になってください。

今日の記事は拙著のPART3「あなたの思いをきちんと伝える方法」の110P〜119Pの内容をフルリライトして書きました。

愛犬との出会いから別れまでを、しつけ中心に時系列で書いています。(バカ話が多いですが)

文庫本だけでなく、kindle版など電子書籍も出ていますので、よろしければご一読ください。

今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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はじ丸




 

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